風信子ハウス

<風信子ハウス>と書いて、ヒヤシンスハウスと読みます。
現在、さいたま市別所沼公園の湖の畔に建っていますが、
これは、建築家で詩人の立原道造の設計による自邸です。
正面
風信子ハウス正面
平面図
自筆のラフ平面図
pict-drawing-bytachihara.jpg


道造はこの家を、婚約者とともに過ごす週末住宅として設計しました。
しかし、生前この家が建てられることはなく、二年前に政令市記念事業として建てられたとのこと。

立原道造というと、24歳で夭折した天才詩人・・・
というイメージの方が強いですが、
実は、将来を嘱望された建築家でもあったのです。
有名な詩人で、実は建築科出身・・・というレベルではないのです。
彼は、東大の建築科を優秀な成績で卒業したのみでなく、
在学中、辰野金吾賞を三度も受賞しているのです。
※辰野金吾は、ご存じ東京駅の設計者。
 先日「てんこもりおか・その2」の記事でご紹介した盛岡の岩手銀行の設計者でもありますね。
 なお、辰野金吾賞を三度も受賞したのは快挙で、後にも先にも道造だけ。
 
私は最初は詩人として認識しましたが、彼が晩年に一ヶ月ほど盛岡に滞在したことから特に興味を持ち、実は建築家であったことや、彼の作品を知りました。
(建築事務所に就職した半年後に発病し、二年後に亡くなったので、作品はいくつもなく、現存しているものはないと思っていたのです。)
ところが!kuboさんの記事で初めて、この風信子ハウスが2年前に建てられたことを知り、行ってまいりました。

窓あいてるとこ

実は、開館時間を調べてなくて、ぼーっと感動して見てたら、
管理の(ボランティア?)オバサンが旗※を降ろし始めました。
 ※道造は、その屋根に主人がいる時は旗を立て、いない時は降ろす・・・と言っていたそうなので。
おかげで、戸締まりに立ち会うという体験に遭遇しましたが、
窓が開いてる写真は数枚だけになりました。

雨戸を閉めると、こんな感じ
窓閉めたとこ


雨戸の鍵は難解で、慣れてるはずの管理人さんも苦労しており、
結局私が閉めるしまつ・・・これも設計どおりなんだろうか?

雨戸の十字架(表)
雨戸には十字架模様が
雨戸の十字架(裏)
中から外を見ると・・・
窓と雨戸を両方閉めたとこ
雨戸も窓も閉めたとこ
この十字架は、中の椅子などにも施されています。
元々友人の新婚家庭用にデザインしたものとか。
いす


裏側

ちなみに建物裏側は12mのほぽ全面窓ですが、
この雨戸の戸締まりも特徴があります。
全部閉めてから、↓のような細工の鍵をかけるだけ。
雨戸の鍵

おかげさまで、戸締まりしためずらしい写真が撮れましたヨ。
戸締まりした部屋

戸締まり前
戸締まり前

道造の写真


ベッドの横の小さな窓。
道造は、ここから別所沼が見えることを想定していた。
窓

 僕は窓がひとつ欲しい。
 あまり大きくてはいけない。
 そして、外に鎧戸、内にレースのカーテンを持っていなくてはいけない。
 ガラスは美しい磨きで外の景色が少しも歪んではいけない。
 (中略)
 僕は窓が欲しい。たったひとつ。・・・略
              エッセイ<鉛筆・ネクタイ・窓>より
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風信子 from りなのblog

風信子 ヒヤシンス(Hyacinth. ヒアシンスとも表記、漢字では風信子)はユリ科(APG植物分類体系ではヒヤシンス科)に属する球根性多年草で、耐寒性秋植え球根として扱われ、鉢植えや水栽培などで観賞され、春先に香りのよい花を咲かせる
  • 2007/07/25 12:38

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Comment

surugaki

住まいの原点を感じます。知り合いのブログでも、以前、連載していました。
私も見学に行きたいです。周りの環境もいいですね。フィンランドのような風景
ですね。(そのブログでは、そう見えました。)一言、声を掛けていただければ、
同行させて頂いたのにぃ・・・残念です。
そのブログはこちらです。→http://tokyomachi.exblog.jp/5551061/

白あずき

お、みなさんご存じなんですね。
ちなみに閉館時間は15時と、結構早いから気をつけて。
逆に、その時間目指していくと、鍵のかけ方とかも教えてもらえるかも。
どおやら、鍵も道造案らしいです。

アベッカム

おはようございます!!

朝寝坊の アベッカムです。

久しぶりに拝見して、びっくり!!

 道造さん、建築家だったんですね!!

 しかも、ヒヤシンス、読めませんでした。

 そして、ああ、懐かしき、別所沼。

 かつて、近所に住んでいたことがあります。

 なんだかうれしくて、興奮してかいてしまいました。

 さて、そろそろ仕事に行かねば。

 帰ってきてから、じっくり読ませてもらいます。
  • URL
  • 2006/11/15 08:56

白あずき

アベッカムさん、埼玉にも住んでいらっしゃったんですか?
神出鬼没ですねー。
道造がもっと長生きしていたら、
どんな作品を残したろう・・・と思うと、
24歳で亡くなったのは、とても残念です。
丹下健三さんの1級上だったそうです。

すろう

婚約者と共に過ごす週末住宅!
ラフ絵も素敵~
台所と浴室がないから、
隠れ家、秘密基地みたいですね。
小さな家(小屋?)だけどすごい存在感。
24年の人生での偉業もすごい。
詩にこだわりがみしみし出ていますね。

m.m

アホかと思われそうですが、
写真を見て鳥肌が立ちジーンとしましたi-241
なんだろう、スケッチが特に。霊気?i-230

私は詩人より先に建築家として知りました。
若くして亡くなった事と優秀であったこと。
この建物が最初かな。

色合いやディティールがどことなくレーモンドに似ていますが、接点があったのかな。

とても解りやすく解説されていて、白あずきさんの魂も感じました。
調べてまとめるのは大変なエネルギーが要りますからね。
秀逸な記事でしたi-6

これは是非行ってみないとi-179

僕は窓がひとつ欲しい。
(中略)
僕は窓が欲しい。たったひとつ。

じーんi-241

白あずき

こんなにコンパクトなんだけど、
窓が広いから、周りが湖や沼だったら、
狭さをあまり感じない。

週末に本を読むためだけに行く家。
ワインとチーズと自家製酵母パンをバスケットに詰めて出かける家。
二人でひたすら語り合うためだけの家・・・
そんな感じですね。

道造が住宅に求めたのは、
「住みやすさ」ではなく、
「住み心地の良さ」だったと、なにかに書いてあった気がします。

白あずき

>白あずきさんの魂も感じました。

風信子ハウスに行ってきましたよ、とお知らせしてから、早や二ヶ月くらい経ってしまいました。
その間、リアルタイムでお送りしたい記事が続いたせいもありますが、二ヶ月もあたためたのは、やはり、私のこの建物への思い入れだったのかも。
本棚から古い本を引っぱり出してきて、
道造にのめりこんだ学生時代にタイムスリップしました。
(斜め読みですが・・・)

>色合いやディティールがどことなくレーモンドに似ていますが、
私もそう感じたのですが、接点はどうでしょう?
尊敬するのは、村野藤吾と、アルバー・アールトというのは何かに書いてありましたが・・・。

行かれる時は是非15時の戸締まりまでいて、窓と雨戸のからくりを体験することをオススメします。

SO-RA

立原道造が建築家でもあったなんて。
ひとつお利口になりました。
すごく可愛いおうち!
窓枠の色も可愛いし
クロス模様なんて特にキュートだわん♪

白あずき

そぉーなんですよ、実は。
それも、かなり優秀だったとか。
残った作品は少ないけど、きっと長生きされてたら、かわいい住宅を沢山造られたのでは・・・と思います。
+模様、SO-RA さんのお皿とおそろいですねv-238

ルーズメリー

ドアがない。
なんの予備知識もなく、画像を見ていたら、玄関らしきものが 見当たらない。
「ステップをあがった所らしいな~」
と思いつつ、外観を見ていました。
♪「もしもー 私が家を建てたなら、小さな家建てーたでしょう。大きな窓と 小さなドア。。。。。」♪
新婚さんが望む「間取り」なのねー

白あずき

そうそう、玄関は、正面真ん中のステップを上がると右側にあります。
ドアも窓とおそろいの緑。
ドアノブの写真もカワイイので撮ったんですけど、どんどん写真が増えちゃって・・・

愛があれば、狭い方がいいんでしょうね。
でも、窓が大きいから圧迫感はないと思いますよv-238

シロシロスルガ

白あずきさん、こんばんわ。
白あずきさんは、サザエさんのエンディングの知ってますか?歌の一番最後にサザエさん一家が草原の中にある家に全員入って終わりになるんですが、<その家>にこの家がそっくりなんです!以前、雑誌で立原氏のこの建物を見てからずっと思ってました。不思議です・・・。

kubo

ひそかに狙っている事
人出の少ない水曜日
ボランティアでこの建物の番人
そしてゆっくりと時間をすごしながら
図面を書く

白あずき

サザエさんのエンディングはわかりますが、
こういう家でしたっけ?
そういわれれば・・・・。
でも、なんかバンガローみたいな、高床式た゜と思ってた・・・。
そんな思いでサザエさんを見ているのは・・・シロシロスルガさんだけでしょうね。
私も今後エンディングが気になってしまうことでしょう。
最近見てないなー、サザエさん。

白あずき

そんな野望をお持ちでしたか!
きっと、「住み心地のよい家」の図面が
出来上がること、請け合いです。

でも、戸締まりは難しいですよー。
終わる頃、お手伝いに行ってあげましょう。

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プロフィール

 白あずき

Author: 白あずき
基本的には、フラフラするのが好き。
旅行したり散歩しながら、道端の植物やお店を覘いたり、美味しいお菓子を探したり・・・
現実はそんなことばかりもしていられないので、せめてブログでフラフラしよう・・・

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