建築探偵見習日記・その27 ~聖ルカ礼拝堂~

さて、最初にお話しした建築探偵の醍醐味・・・
“建物への侵入方法”ですが。

以前来た時は平日でしたので、見舞客を装いスンナリ入れました。
今回は日曜日・・・教会といえば、日曜はミサがあるから入れるだろう・・・と、
高をくくっていましたが、行ってみると、そこは病院。
表玄関はモチロン、休日入口らしきところも固く閉ざされておりました。
諦めがたく裏に回ってみると、なにやら人の出入りが・・・。
どおやら、チャペルで葬儀があったようで、花を運び出している業者さんがいらっしゃったので、
それに紛れて裏口から侵入。
暗い階段を上がると、そこはチャペルの裏側でした。

今回もまんまと侵入してしまったワ。
私ってもしかして、不法侵入またはDOROの才能あったりして。

ちなみに、病院の中で葬式挙げられるってどうよ?とか思いつつ、
ステンドグラス
DORO気分のうしろめたさから、ブレまくっております。

Wikipediaさんの記事を拝借いたしますと(手抜き)、
礼拝堂のステンドグラスは、予算の関係から複雑な聖人画などは作れなかった。
逆に抽象的な図像でキリスト教の殉教の歴史を象徴する画が配されており、
特に魚の図像はローマのキリスト教弾圧の時代にキリスト教徒同士の合い言葉であったと同時に、
築地市場のある土地を反映したものとなっている。


そのお魚さんの図像が、↓です。
ステンドグラス③

ステンドグラス②




チャペルは、後方は建物の2階~6階まで吹き抜けになっており、
この旧病棟に病室がつながっていた当時は、チャペル背面は各階のロビーから直接チャペルが見下ろせるようになっており、
入院患者が病院にいながら礼拝できるようになっていました。
今は、その部分にパイプオルガンが陣取っており、当時の開放的な風景は見られません。
(藤森照信さんの『建築探偵 奇想天外』には、当時の写真が載っておりますよ)
パイプオルガン


礼拝堂正面
正面


これが礼拝堂背面(入口)。 この上にパイプオルガンが鎮座ましましています。
入り口


さあて、この聖路加病院の設計者について、ちょっと色々な余談をみつけましたので、
旧病棟の素敵な灯りたちとともに、そのお話をご紹介します。
照明①

前回記事で登場したチェコの建築家、フォイエルシュタインさん。
大正15年に、レーモンドの設計事務所にパートナーとして加わるため日本に来ました。
レーモンドとフォイエルシュタインは、最初はうまくいっていたのですが、
「聖路加病院の仕事のあたりからおかしくなったらしい。
レーモンドによると、フォイエルシュタインが病院長のトイスラー博士などと組んで自分を排除しはじめ」たと思いこみ、「二人は喧嘩別れし、昭和五年フォイエルシュタインは日本を去」ったとのこと。
(「」内は、『建築探偵 神出鬼没』(藤森照信著)より引用させていただきました)
照明②

その後故郷に戻ったフォイエルシュタインさんは、あまり仕事に恵まれず、
六年後になくなったとのことです。

さて、レーモンドはというと、聖路加病院のデザインはモダンすぎたのか、
無機質だということで途中で降ろされてしまったそうです。
そして最終的にはバーガミニーの設計に・・・
そうしてみると、聖路加は、いろんな外国人建築家の思いがこもっているのかも・・・。
照明③



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Comment

surugaki

以前、モスクワのロシア正教会に伺いましたら、漆喰で塗りつぶされた
キリストのモザイク絵を復旧していました。・・・どうしたことか、それを
思い出したのですが、写真が無かったので、「バルセロナ大聖堂の
寄付記事」をTBさせていただきました。どちらの教会も維持には金が
掛かり、悩みの種のようですね。何とか、次の世代に残して欲しい
ものです。いつでも喜んで寄付させていただく所存でございますので、
いつでもお申し付けくださいますようお願い申し上げます。(小嘘)

白あずき

早速、TBと寄付の申し出をいただき、ありがとうございます。
ご寄付の方は、ワタクシが替わりにお受けいたします。
たぶん聖路加病院は稼いでいらっしゃいますからね。
現金で抵抗を感じられるようでしたら、
ワインまたはお寿司による現物支給も随時受け付けております。

夕香

えっ?うまく浸入されたのですね。
見習いたいくらい♪(゚▽^*)ノ⌒☆
それにしても探偵ごっこさながらで、スリル満点じゃないですか。
おかげさまでまるで自分が見たように見れます、アリガト。
それにしても凝っておりますね~♪
ステキです。
  • URL
  • 2008/03/10 08:04

シードル

無事に中へ、さすが忍びの心得のある方じゃ。
ステンドグラスに高い天井、ほんとにここ日本!?
ヨーロッパに行ったみたいな内部で見事ですねー
いろんな建築家が交錯した建物だったんですね。
これだけの建物、絶対残さなきゃいかんでしょう。
でも魚をキリスト教と築地にかけるあたりなんざ粋ですな。

牛柄

昔取ったシノヅカ・・・杵柄ではないですが、なんとも懐かしい^^
つい学生時代の資料をひっくり返してしまいましたよ (ひっくり返しただけですが^^;)。
ゴシックの尖塔アーチ、下芯アーチ、バラ窓に馬蹄形アーチ・・・あぁ夢のようです (うっとり)。
日本にこんな建築があったなんて、ついぞ知りませんでした、学生時代何やってたんだろ・・・。
ステンドグラスのピンク色を出すには、ガラスに金を混ぜるそうなんですが、それを思えばデザインにお金を回せないのも分かるような気がしますな。
魚の意匠、ついイエス様が湖の上を歩いてきた逸話を思い出しますね (白あずきさんなら、分かるよね?^^)。
  • URL
  • 2008/03/10 21:58
  • Edit

白あずき

はいっ! もぐりこみ成功ですっ。
ただし、中をうろついてたら、たぶん葬儀屋さんが、
「今入ってきたところは閉めちゃいましたから、帰りはあっちから出てくださいねー」と、休日用の警備員さんのいるドアを指さしました。
ばれてんじゃん!

白あずき

ほんとーーーに、よくぞ残してくれました!
と、神に感謝です。

お魚の話、キッパリとWikipediaに書いてあったのでホントだとは思いますが、
実は他にも、ナニコレ?的な図像が、壁やら床やらにちりばめられていて、楽しい♪
そのうちまたご紹介しますね。

白あずき

えっ?! 昔取った篠塚なの?
ということは、牛柄さんてもしかして、神父様?
・・・違うか。 あーきてくと?

>ステンドグラスのピンク色を出すには、ガラスに金を混ぜるそうなんですが
知らなかった~v-12
おもしろー。
以前アップした伊勢丹のステンドグラスなんて、ばりばりピンクっぽいんですけど。 意外と、お金かかってたんですねー。↓
http://amarantine2.blog46.fc2.com/blog-entry-103.html
>イエス様が湖の上を歩いてきた逸話
あー、あれね。 はいはい。
(実はわかってない?i-229



アベッカム

照明のデザインが、どことなくオリエンタルな感じですが、下から2枚目の写真は、色の出具合が、とても西洋っぽさを感じます。

 (壁の紫っぽい感じ)

 お見事な1枚です!
  • URL
  • 2008/03/11 11:52

かげ

無事侵入成功ですね。
さすが天井が高いですね。
あのパイプオルガンの音色が聞いてみたいなぁ・・・
ランプがまたいいですね。

牛柄

金⇒ピンクですが、要は不純物(金属)が何かで発色が変わるそうです。
より古いガラスだと、緑色になるでしょ、あれは鉛を多く含んでるんですね。
透明感を出す⇒不純物を無くすってのが、ガラス工芸の進化の歴史の一端でして、その副産物的色彩なんですよね。
ちなみに(衝撃的告白?)俺は学生時代、美学美術史を選考しようとして、中世西洋史に転向したヘタレですw
  • URL
  • 2008/03/12 23:08
  • Edit

白あずき

そんなぁ~、お見事だなんて。 てれっ。
ほんと、これだけ見ると、西洋のお城の内部みたいですね。
礼拝堂内部は、ゴシックです。
照明などの装飾は、アールヌーボーっぽい香りがしますよ。

白あずき

>無事侵入成功ですね。
ハイ。
今回は、ほんと、あきらめかけましたですよ。
表から裏に回り、非常ドアはしまってるし、
途方にくれていたらお葬式の看板と花屋さん。
お葬式がなかったら、入れなかったということですね。
神よ、罰当たりな私をお許し下さい。

白あずき

おおっ、衝撃的告白っ!
で?美学美術史て、なんだろー?
スイマセン。無知で。
西洋美術史は楽しそうだー。
ちなみに私は、日本美術史専攻でした。
ほんとなんだよぉー。

ガラスの世界って引き込まれますよね。
そんな作り方だったとは・・・。
うっとりです。

m.m

うぇぇ、こんな素敵なチャペルでもって病院の葬儀場の礼拝堂なんて。
一つで三度オイシイ(?)

吹抜けの大きさは圧巻ですね。
ホント、日本も広し、です。
魚のステンドグラスやら、レーモンドとの確執話やら、
人間ドラマも興味深い建物だ。

先日、大谷石でできた教会を見てきましたが、
このスケールにはかないませんねi-233
こちらはマックスヒンデル設計です。

誰?i-179

白あずき

>三度オイシイ
この病院は産科もあるので、ここで生まれた方がここでお葬式まで、という場合もあるようです。
(藤森照信さんと建築探偵をされていた宍戸さんのことですが・・・)

マックスヒンデル
誰?i-229

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基本的には、フラフラするのが好き。
旅行したり散歩しながら、道端の植物やお店を覘いたり、美味しいお菓子を探したり・・・
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