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建物の ”カケラ”

野村證券②

この”王家の紋章”のようなレリーフは、
昭和54年に解体された、
野村證券江戸橋分館 (旧森岡興業K.K)の外壁に付いていた、
換気口の鉄金具だそうです。
本当は、建物の解体とともに取り外され、
建築廃材になっていたかもしれないこの美しい”建物のカケラ”を、
解体現場から救出した人がいました。

壊されていく建物から、せめて・・・と、その建物のカケラを持ち帰り、コレクションしてきた、
一木努さんのコレクションが、江戸東京たてもの園の展示室で公開されています。
パンフ
一木努さんは、茨城県下館市在住の、現役の歯医者さんです。

私がこの方のことを知ったのは、なにかの建築雑誌で。
ゼネコンに在籍していた当時だから、ほにゃ十年も前のことです。
で、それがきっかけでみつけたこの本を貪るように読みましたっけ。

INAX ギャラリーの、 INAX BOOKLET
『建築の忘れがたみ 一木努コレクション』
旧伏見宮邸手摺
その本の表紙になった”カケラ”が、これ。
東伏見宮邸(千代田区六番町)の階段手摺り
※後ろに飾ってあるのが、その本です。

展示室の中は、ところ狭しと数々のカケラたち。
離れて見ると、ただの”ガレキ”のようですが、
近くに寄ってひとつひとつ見ていくと、
いつのまにかその建物の全体が目の前に浮かび上がってくるような錯覚を覚えます。
展示室中央
壁面


一木さんは、地元に戻って実家の歯科医院を嗣ぐ前は、
東京の歯科医院に勤めてらして、
その間に集めたものが多いので、
おのずと東京の建物のカケラが多いようです。

この辺は、本郷あたりのもの。
地域別

この辺は、六本木・赤坂あたり・・・というぐあい。
地域別②

この展覧会では、一木さんが過去40年の間に、
約900カ所の解体現場でコレクションしたうちの約700点が展示されていました。
もう、ご紹介したいものばかりなんですけど、
ほんの一部だけ・・・(今更ですが、今回写真多いです。 すいません。)

以前弊ブログでも建築探偵した、聖路加国際病院のテラコッタもありました。
聖路加
これは、白あずき撮影の、聖路加病院外観写真です。
この部分のカケラなのが、よくわかれますね~。
外壁①


ステンドグラスも。
下のブルーのは、浅草富士館(浅草日活劇場、新世界)のもの。
上のドーム型のは、茅場町の証券会社のものだそうです。
ステンドガラス8

これは、わかりやすいですねー。
有楽町にあった当時の、都庁・第一本庁舎の岡本太郎の陶板壁画
これ以外の部分は、壊されちゃったんだろうか・・・モッタイナイ
岡本太郎

同潤会代官山アパートの階段手摺り
同潤会アパート

上の、M,U,E,N の文字は、
赤坂MUGENの文字看板
下は、建築会館の住居表示板など。
MUGEN

都庁西3号館(旧帝国農業銀行)の柱頭飾り
『建築雑誌』の表紙になった”カケラ”は、他にもたくさんありました。
建築雑誌

他にも、「帝国ホテルのレンガ」、「キャッツシアターのテント地」、
「アメリカ大使館タイル」、「甲子園球場スコアボード」、
「浅草仁丹塔の窓枠」、「浅間山荘の外壁」などなど・・・
もちろん、すべて最後に、「・・・のカケラ」となるわけですが。
びっくりするのは、「鹿鳴館の木杭」なんてのもありました。




以下の4つが、一木さんのベストセレクションだそうです。
一木さん曰く、 「心がふるえた四つのカケラたち」

記事の一番始めの写真のものと同じです。
野村證券江戸橋分館 (旧森岡興業K.K)外壁の換気口の鉄金具
野村證券

日比谷朝日生命館の外壁ニッチ
朝日生命館

朝日石綿工業K.K(旧朝日ビル)の外壁テラコッタ
旧朝日ビル

小川タイル店の外壁テラコッタ
小川タイル




さて、では、白あずきセレクテド? ベストセレクションは・・・

うめさま~?
下館市の農家の鬼瓦だそうです。
真向兎(まっこううさぎ)ですね。
そういえば、高山陣屋の釘隠にも、真向兎があしらわれていました。
兎とよく組み合わされる「波文」からの連想で、火災除けの意味があり、
建物に使われることがしばしばあります。
それにしても、この兎、とぼけた顔がなんともいえません。
うめ様?

展示室の最後の展示品がこれ。
ズキュン・・・と、きました。
時
一木さんの地元、下館市に古くからあった、
古谷野時計店の外壁にあった、「時計店」の”時”の文字

時とともに、時代とともに、壊されていく建物たちの”カケラ”を象徴する
重みのある”カケラ”でした。

実は、私の実家も 「町の時計やさん」 でした。
だいぶ前にビルに建て替えていましたが、その前は、いかにも昭和な擬洋風看板建築でした。
外壁に、店名の文字もあったような・・・。
今は、会社自体が存在しないし、建て替えた二代目ビルも先年解体されてしまいました。
そんなこともあって、なんだかズキュンなコーナーだった。
時計屋さん

小さな破片となっても、建物の想いを伝え、
過ぎ去った時間を教えてくれるカケラたち。
----もし、カケラにならず建物のままのこっていてくれたなら、
どんなによかっただろうと悔やまれるものも多い。
せめて今、街を飾る魅力ある建物が末永く生き続け、
カケラになんてならないよう願いたい。
それが、いわば唯一の「生き証人」としてのこされたカケラたちの、
メッセージのような気がしてならない。   
                          <一木 努>

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Comment

牛柄

まるで遺跡からの発掘品のようですね。
遠い昔、考古学とか発掘とかに憧れたことを思い出す・・・・。
最初の鉄金具、ビビッと来ました~、グリフォン(キメラ)にアザミ紋?様な感じ、なんちゃって中世美術フェチにはたまらんですわw
柱頭やら一見ドコ産だかわからん鬼瓦やら、ニッポンって不思議な“出土品”があるもんですね。

シードル

昔、ローカルTV番組で古い木造の小学校を新校舎に建て替える
ドキュメンタリーをやってまして
最初はピカピカの新校舎に期待を膨らませていた子供達が、
古い校舎が取り壊されていくのを見ていくうちに涙を流す、、というシーンが
すごく印象的でした。
この方も現場へ行ってそんな気持ちだったんだろうなー

白あずきさんちって町の時計やさんだったんだ!
あ~なんかいいなーうらやましい。
昭和の疑似洋風建築の個人住宅、住んでみたいとものすごく憧れましたよ~
(ワタシ県営住宅育ちでしたから…)
なんか残ってたら見せてくだせえ。
しかしここまでのコレクション見ると、ああもったいない
建物が残せなかったのかと部外者は思うのでありました。

美鳥花

 そうそう、豊能郡豊郷小学校の解体事件
ヴォーリズ建築の小学校解体をめぐって小さな町全体が揺れ動いた事件をアタスもこのブログ読んで思い出しました。町民のウチラ世代ジンが身体張っての阻止!見事保存!
こういう文化はゼヒ残して継承してホセー!
  • URL
  • 2009/01/26 23:07

surugaki

コメントでは書き表せないくらい素晴らしいですね。
ブログのカケラとして保存させて頂きます。

白あずき

> 中世美術フェチにはたまらんですわw
古い建築って、あやしい想像上の鳥獣がウジャウジャくっついてて、
楽しいですよね。
調べると、~の守り神、とか言う感じで、
なにやら意味があるらしいんですが・・・。
上を見上げると、たいがい、
ヘンな生き物がこっちを見下ろしています。

白あずき

> 昔、ローカルTV番組で古い木造の小学校を新校舎に建て替える
> ドキュメンタリーをやってまして

それは、美鳥花さんのコメントにもある豊郷小学校ですね!
ここ、階段手摺りにねうめぴょんがいるんだよ~ん。
万が一、解体されることになったら、カケラはぜったいうめぴょんに決定だな!

> 昭和の疑似洋風建築の個人住宅、住んでみたいとものすごく憧れましたよ~
私も~♪
なんか、書き方が誤解を招きましたね。
そんなカッコイイ建物じゃないんです・・・
看板建築ですから、表から見ると、洋風ポストモダン(これも誤解うけるか)
で、中身は、ごく普通の和風。
私は屋根裏みたいな、窓が上の方にある物置部屋を改造?して使ってました。
『アンネの日記』に憧れてたのね~

白あずき

>  そうそう、豊能郡豊郷小学校の解体事件
たしか、町長がリコールされて、また当選して、また落っこちてー
みたいな、有権者しっかりしろ事件でしたね!

シードルさんへのお返事にも書きましたが、
この小学校の手摺りに、たしか、うめぴょんがいるのよねー。
子供達が、みんなうさぎを撫でながら階段を上り下りしてるの。
建築には、夢を盛り込める!って、それを見て思いましたっけ。
公開されてないのかな~。

一木さんの想いは、ほんとはカケラを集めたいんじゃなくて、
保存出来ないから、仕方なくカケラ・・・なんでしょうね。

白あずき

> コメントでは書き表せないくらい素晴らしいですね。
って、手抜きでないかい???
一瞬、「このコメントは管理人のみ閲覧できます」 コメントかと思いました。

> ブログのカケラとして保存させて頂きます。
あぁ、ついに私もカケラになってしまったのね~。
カ・ケラ・ケラ~♪
(あ、急にハイになってきました・・・気にしないでください)

シードル

おっと誤解させてごめん。
私が見たのはほんとに市内の○○小学校なんですよ。
豊郷小は話題になりましたね~
遠いこちらで拳を握りしめてたっけな(-_-;)
あのうめぴょん像たちは元気だろうか。

私の住む町はヴォーリズ設計の建物をこの世から消しましたから。
白あずきさんや美鳥花さんが喜ぶようなかわいい個人住宅でした。。
(メガしつこ杉?ごめんなさいまし)

かげ

カケラとはいっても歴史のカケラというか、重みのあるカケラばかりですね。
そういえば解体される木造校舎などの一部を使って楽器を作っている方がいましたね。
江戸東京たてもの園でやってるのか、近くだから行きたいなぁ・・・

白あずき

> おっと誤解させてごめん。
いえいえ、こちらこそ、早とちり、失礼!
> 私の住む町はヴォーリズ設計の建物をこの世から消しましたから。
ぬわにぃー!!!
いったい、どこの町だっ! (知ってるくせにー)
市長、出てこーい! (酔っぱらいのオヤジかよ)

> (メガしつこ杉?ごめんなさいまし)
とんでもないっす。
美鳥花たぬきとシードルわんこの昔話に比べれば、
全然しつこ杉ません。

白あずき

> カケラとはいっても歴史のカケラというか、重みのあるカケラばかりですね。
でもって、そのカケラひとつひとつを採取したときの
エピソードが付くと、それはほんとに”歴史”になるんだと思います。
あと、建物に対する関わった人たちの思いとか。
そんな人がカケラを見たら、建物全体が目の前に浮かび上がってくるんだろうな~。

> 江戸東京たてもの園でやってるのか、近くだから行きたいなぁ・・・
たしか、3/1までやっています。
ぜひ、行ってみてください!
セキレイ軍団がいますよ!

m.m

シルヴァスタインの絵本を思い出しました。
パックマンのような主人公が足りない’カケラ’を探しに旅に出るのですが、
大きなカケラや小さすぎるカケラ、
尖がったカケラを無理に押し込めたり、
キツクくわえたら壊れてしまったり・・・
なかなかぴったりするカケラが見つからないのです。

そしてある時、やっとぴったりするカケラを見つけ、旅を続けるのですが、
ぴったりハマリ過ぎて、お花の匂いを楽しむことも、虫とお話することも出来ず、
すごい勢いで走っていくのです。

そして、それが楽しくないことを知ってしまいます。
カケラをそっと道端に置き、
またゆっくり旅を続けます。

人生って、それぐらいがちょうどイイのかな。

と、本文とは関係無いと思いつつ、
無理にまとめてみましたi-179

白あずき

> ぼくを探しに
あ~、知ってるー!
だけど、ストーリーは忘れてた・・・。

なんだか、今の私にバキュンな話だわ~。
ちょっと、気持ちが軽くなりました。
ありがとう。

> 人生って、それぐらいがちょうどイイのかな。
私って、”それぐらい” がどれくらいか読めないんだよね~。

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Author: 白あずき
基本的には、フラフラするのが好き。
旅行したり散歩しながら、道端の植物やお店を覘いたり、美味しいお菓子を探したり・・・
現実はそんなことばかりもしていられないので、せめてブログでフラフラしよう・・・

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